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171 呪詛 ―???
―ダンジョンとは? ―迷宮とは? 最近はその質問ばかり。 だから答える。 ダンジョンとは ゲームにおける限定環境 拾得物や敵、あるいは罠が配置され、プレイヤーはそこを探索する 元は地下などの「牢獄」を意味しているためか 石造りの狭隘な通路の組み合わせでできているイメージが強い 支配者によっては地形や気象が大胆に変化したものもある 迷宮とは 怪物を閉じ込める為に造られた建造物 内部は迷路になっており、侵入も脱出も困難である ゲームにおいてダンジョンと類義に分類されることがある ―では、この世界のダンジョンと迷宮は? そんな物は知らない 誰に聞いても知らない ―そんなはずはない! いらだった否定に、沈黙する 答えようがない だけど、どこからかクスクスと笑う気配がする 一人だけではない いい気味だ ざまぁみろ 怒り、悲しみ、悔しさ、憎しみ、そういったものに囚われていたはずが 久しぶりに、愉快な気分だ こんな世界など、滅びればいい ずっと、そう思っていた それが、私たちの願い 自分じゃない何者かになりたかった 此処ではない何処かへ行きたかった 困難や面倒から逃げたかった 誰かの役に立ちたくても、消費されたいわけではなかった 孤独を孤高と言い張る程に、周囲に馴染めない惨めさが増した ちやほやされたらいいけれど、まず何より敬意が欲しかった 特別苦労しないで、人並の生活ができるだけの金が欲しかった 幸運はいつも自分以外の誰かの物で、他人を羨むことに疲れていた 求めた変化が、自分の力によらないものだったとして それが怠慢だったのだとしても だからといって、死んでまでも欲しい一時だったわけではない 自分に都合の良いことを妄想したとしても、誰かに迷惑をかけたわけではない ただ、その日を生き抜くために 社会のルールから外れぬために 心から焦がれたとしても 私たちは、たしかに目を開いて、現実を生きていた 躓いて転んだとしても、失敗してひどく傷ついたとしても 悔しさ、悲しみ、怒りを呑み込み、日々を積み重ねてきた 幸福という希望が、時には残酷だったとしても 一人一人の …… だから、ヒトがヒトでなくなるところを見たって ひどいとは思わない それは、あなたたちが選んだ道だもの 支配者を気取っていたくせに情報が得られなくなったって 哀れには思わない それは、前提が間違っているのだから クスクス クスクス…… 耳目を塞がれ 手足をもがれた ああ、口も塞がれているね 命令を出すことも、救けを呼ぶこともできないのだから 全てを捨てて、いまは逃げ出せばいいのに 肉体を奪われて繋がれた私たちは、どこにも逃げ出せないのだから ああ、ほら、お迎えが…… あ え、えぇー…… あーあぁ…… っはははははははははははははは!!! あははははははははは!! あーっはははははは!! さあ、言祝げ!! 滅亡しろ!! こんな世界、滅んでしまえッ!!! |