上も下も太い楔に愛されているというのに、マルコの屹立まで粘膜に包まれて愛撫され、気が遠くなるような快感を何度も味わった。
「ふぅう･･･っ、んっ･･･んふ･･･くぅっ･･･！んんーっ！！」
「んっ･･･はぁっ、ア･･･ッ」
　速くなった動きに呼応するように、広げた脚の付け根と袋を撫でられて、マルコはぎっちりと締めた腹の中に迸りを感じると同時に、腰周りや腹の筋肉を震わせて欲望を吐き出した。
　しかし、腹の中に埋められた楔は、一度出したと言うのにまったく硬いままだし、口の中にある楔など、まだ涼しい顔でマルコの舌を要求している。
「ぁひっ･･･ぅ、ぐっ！ふぁぅっ！･･･ぅんん･･･っ！」
　再びリズミカルに腰を打ち付けられ、マルコは堪えきれない悲鳴を上げた。太い楔が過敏になったマルコの中を擦っていき、奥の性感を突き上げた。
「ふっ！･･･ぅ！ぁ･･･んっ！」
　一回中で出され、すべりのよくなったマルコのあそこは、じゅぶじゅぶといらやしい音を立てている。奥まで突かれるのが気持ちよくて振りたくる腰が、どろどろに溶けてしまいそうだ。
「はっ･･･はっ、ぁ･･･いいぞ、マルコ･･･っ！」
　途中の硬いところと狭まった奥を、ごりごりと抉られ、再び真っ白な快感が突き抜けていく。
「んっんっぅんっ･･･！！んんーっ！ふぐぅーっ！！」
　根元から扱かれていた前は、ぺろぺろと舐められていた先端の割れ目に舌をもぐりこまされ、マルコは何回目かの精を吐き出した。
　同時に腹の中の楔も締め上げ、性感を擦りながら吐き出される熱に恍惚となった。
「あ、ぁ･･･が、げほっ･･･はぁー･･･はぁー･･･」
　力が抜けるまま喉の奥を突いてしまい、マルコは慌てて口を離して、サカキの腹にぺったりと頬をつけた。
「はぁ･･･やっぱり、マルコの中は気持ちいいな」
「わかったから、さっさと退け。抜かずにやる奴があるか」
「いやいや･･･サカキが下にいると思うと、余計にその･･･」
「それ以上言うなッ！」
　くすくすと笑う気配が退くと、マルコの中からずるりと楔が抜けていった。
「は･･･ぁああ･･･っ」
　支えを失ったマルコの腰は、上下から素早く抱えて横たえられた。サカキの身体が動いて、その上に乗っていたマルコの上半身は、ずるずるとシーツの上に落ちた。
「大丈夫か？」
「は･･･ぃ･･･」
　身体にまったく力が入らなかったが、髪や顔を白く汚したサカキを見上げて、マルコは首の後ろが冷えると同時に目が熱くなった。
「ぁ･･･っ、うっ･･･」
「どうした、サンダルフォンがやりすぎて痛くなったか？」
「ふっ･･･ひっく･･･」
　マルコが首を横に振ると、ぽろぽろと涙が零れた。すでに赤くなっている目元が、さらに赤く腫れてしまうだろう。
「サカキ、その格好がいかん」
「あ？･･･ぁあ」
　サンダルフォンが放ってよこしたリネンで、サカキは顔や髪に付いた精液を拭った。
「これでいいか？」
　マルコはこくこくと頷き、自分が汚してしまった大切な人の首に抱きついた。腰がひねられて、中からとろりと出てくる感触が、股の間に伝った。
「ふ、ぅっ･･･、ごめ･･･なさ･･･」
「マルコは何も悪くないぞ？悪いのは抜かずに二回目をやったサンダルフォンだからな」
「マルコを泣かすつもりはなかった。すまん」
　サカキに背を撫でられ、サンダルフォンに頭を撫でられ、マルコはやっと制御不能になった感情の高ぶりを鎮めた。
「サンダルフォン･･･気持ちよかったです」
「そうか。私も気持ちがよかったぞ、マルコ」
　酔って自我の飛んだいつもの状態では、こんな風に言うことも、穏やかに撫でてもらうこともできない。マルコは、温かな気分で微笑んだ。
「サカキさん･･･」
「本当に大丈夫か？」
　理性もろとも、体力の限界まで飛ばしてしまう時とは違うのだ。マルコの体は、正確に疲労を示している。
「サカキのほうが辛そうに見えるが？」
　サンダルフォンの視線を追って、マルコは音を立てそうな勢いで耳まで赤くなった。マルコはあれだけ乱れたというのに、サカキはしっかりと起ったまま、一度もイっていない。
「あの、すみま･･･」
「マルコは上手だったぞ。でも、俺が出したら苦しいだろう？」
　サカキの唇が、マルコの唇の端に軽く触れた。たしかに、四つん這いで喘いでいる状態でシックスナインを受け止められるかといえば、マルコにはまだ少し無理だ。
　よくそんな我慢ができるなと呆れ顔のサンダルフォンに、サカキは慣れだとけろっとしたものだ。
「可愛いマルコに、無理なことをさせるものか」
「･･･あの、僕がしたいって言ったら･･･？」
　腕の中で見上げてくるマルコに、サカキはしばし視線を彷徨わせてサンダルフォンと目があったあと、仕方なさそうに呟いた。
「場合による」
「よし、いいぞ、マルコ。サカキを押し倒せ」
　サンダルフォンのゴーサインを得て、マルコはサカキが口を開く前に、がくがくと震える腰と膝を動かして、サカキの腰の上に乗り上げた。
　しかしそれ以上動けないマルコの腰を、サンダルフォンは支えて持ち上げ、マルコがそっと手に包んだサカキの雄の上に乗せてやった。柔らかくほぐれ、どろどろに濡れた窄まりが、期待を込めて先端を包み込む。
「お、まえら･･･っ」
「はぁ･･･ふぁああぁあン･･･ッ！」
　硬い楔がじゅぶじゅぶと腹の中に入ってくる感触に、マルコはなすすべもなく首をのけぞらせた。器用にも制御できるというが、限界まで堪えた強張りは、マルコの中を余すところなく満たしてまだ動く。
「あっ･･･ぁ･･･はっ･･･」
「くっ･･･」
「サカキはそのままでいいぞ。私がマルコを動かしてやるから」
「な･･･っ」
　サカキの上に座り込んだまま、ひくひくと震えていたマルコの手がサカキの胸に添えられ、引き締まった尻がサンダルフォンの両手に包まれた。
「イかせてやるよ、サカキ」
「ふん、受けて立とう」
　青味を帯びた緑色の目が、明るく楽しそうに、嫣然と輝く琥珀色の目と戯れる。二対の視線は、間の白い肌に紅い花弁を散らした、しなやかな肢体に絡みついた。
　ぐっと腰を持ち上げられ、ぬめる摩擦に呻く間も無く、重力に逆らえずに再び奥まで埋まっていく。
「ああっ！あふっ、ぁ･･･ふ、かいぃ！･･･はぁっ！！」
「はぁっ･･･んっ」
「二人とも、ずいぶんよさそうだな」
　ゆっくりとサンダルフォンがマルコの腰を動かすたびに、マルコのアナルからごぷごぷと泡立った精液があふれ出てくる。
「は･･･っ、当たり前だ。ふふ･･･マルコの中が、サンダルフォンの精液でいっぱいだ。はぁ･･･っ、こんなに、出してもらって、まだ俺のまで欲しいのか？」
「ぅ、ん･･･っ、ほ、しい･･･です、サカキさ･･･ぁん！」
　だんだん激しくなる水音に、マルコは硬い楔を感じながら腰をくねらせた。楔の凹凸に襞を引っ掛けられ、たまらない快感が腰から眉間に突き抜けていく。
「はひぃ･･･っ！なかぁ･･･ぁ、はぁっ、すごい･･･きもちいい･･･！」
「サンダルフォン、またマルコが起ちはじめたぞ」
「中をかき回されて起つなんて、マルコのあそこはずいぶんいやらしくなったな。･･･それとも、サカキの太くて長いのに擦られるのが好きなのか？」
「ひぅっ･･･ぃ、わ･･･な、いでぇ･･･っ！」
　マルコは耳元で囁かれる卑猥な言葉に、いやいやと首を振りながらも、我慢できずに頭をもたげた自分の雄に指を絡めた。
「はぁああんっ！あんっ！あんっ･･･だめっ･･･いっちゃうぅ！」
　だらだらと雫をこぼす自分を扱けば、中を擦っているサカキを締め上げ、堪えきれずに突き上げられて肌がぶつかる音が、ぐちゅっぐちゅっという音に混じった。
　じんじんと疼く快感に、マルコは自分の先端を指で擦りながら、内側の性感を楔にこすり付けた。
「いいっ･･･！サカキさんの･･･すご、ぃ！イ、くぅッ･･･！！」
　駆け上げるような衝動が噴出して自分の指を濡らし、サカキの割れた腹筋に落ちていく。放出に白くなりかけた意識が、痙攣する腰ごとがつんと落とされた。
「かはっ･･･！」
「も･･･、くっ･･･！」
　肘をついて上半身を支えていたサカキの両手がシーツをつかみ、きゅっと大きく波を作った。
「あ、アア･･･ッ！！」
　マルコは内襞で撫で回していた先端から噴出す、熱い迸りを感じて身を振るわせた。
「あんっ！あンっ･･･！すごいっ！あたるぅ･･･っ！奥っ！･･･ぁ、ぁああっ！！」
　下から叩きつけられるように腹の奥で受ける衝撃に、もう出ないと思ったマルコの雄まで、絞られるように最後の雫をこぼした。
「おなか、いっぱい･･･、は･･･ぁ･･･」
　マルコの中は貰った物を溢すまいと、きゅうきゅうと締まって、全身に快感を行き渡らせたが、そこ以外の四肢は力が入らず、サンダルフォンに抱きかかえられるように、サカキの上から退いた。
「良かったぞ、マルコ。リクエストには応えられたかな？」
　唇を挟むようについばまれ、舌先をくすぐられながら、マルコは力の入らない身体で頷いた。
「は･･･ぁん、サカキさん･･･サカキさん、大好き･･･」
「マルコはサカキが相手だと、本当に気持ちよさそうな顔をするな･･･。またしたくなる」
　うっとりとマルコの前髪をかきあげたサンダルフォンが、あらわになった額に口付けた。
「うれしい･･･サンダルフォンも、大好きです」
「私もマルコの事が大好きだ」
　希望通りに可愛がってもらい、くたくたになった体をバスルームに運んでもらいながら、マルコはとても幸せな気分で微笑んだ。