男の条件−2−
オイルなどですべりをよくしているわけもないので、ハロルドの後ろはサカキの細い指をきつく噛んで、動きを押さえ込んでいた。それでも抜き差しがしにくいだけで、サカキの指はハロルドの中に深く埋まったまま大胆に踊って、いいところを押し上げた。
「や、ぁ・・・!そこ・・・はっ・・・ぁ、ひぅ・・・っ!」 入り口が柔らかくなって二本に増えた指の間から温泉が染み入り、ハロルドはむずがゆいような感覚に腰をくねらせた。 「サカキさぁ・・・も・・・」 涙目で訴えてくるハロルドの頬にキスをすると、サカキは指を抜いてやった。 「ふわぁ・・・っ」 かくりと膝を崩して、ハロルドはサカキの脚の上に座り込む。サカキは元々、後ろを使ったことのないハロルドに、いきなり最後までする気はない。 「どうだった?」 「ぅ・・・サカキさぁん・・・」 未経験な刺激に理性のたがが外れかけているのか、ハロルドは甘い声を出してサカキに擦り寄った。互いの張り詰めた高ぶりが擦れる。 「っ・・・」 「ぁん・・・もっとぉ・・・」 「まったく、他の男にそんな声を聞かせるんじゃないぞ」 「ん・・・欲しい、です・・・サカキさんが欲しい。はやく・・・」 「わかった、わかった」 ハロルドの血色のよい唇をちゅっと吸うと、サカキは湯船からずり上がって、縁に腰掛けた。 「ん・・・」 「おいこら・・・っ」 目の前に上がってきたものに、ハロルドは躊躇いなくしゃぶりついた。 「ハロ、まだっ・・・くっ・・・」 引き剥がそうとするサカキの腕力などたかが知れており、ハロルドは硬度を持った肉棒に唇を這わせながら頬擦りした。膝を開かせて深く口に含むと、ずるずると舌を絡ませながら頭を振る。 「んふ・・・ぁ、んっ、んっ・・・ぐ、んっ・・・」 「ぅ・・・あっ、ハロ・・・!」 腿の内側を撫で、奥の窄まりを探り当てると、サカキのそこはすんなりハロルドの指を飲み込んだ。 「っ・・・!」 体を震わせた拍子に体勢が崩れ、後ろに手を付いたサカキの脚をさらに広げる。明るい秋の日差しに、白い肌がさらされていく。 「ハロ・・・!」 「ふはっ・・・サカキさん、すげーえっちな格好」 「お前がそこにい・・・ぅっ!」 中に埋まったままのハロルドの指が動き、サカキはさらに石床に肘をついた。その姿勢は、ハロルドから見ると、誘っているようにしか見えない。 「・・・かわいい」 「!?」 ぼそりと呟いたハロルドは指を抜いて湯船から上がると、そのままサカキに覆いかぶさった。 「待て、こんなと・・・くっ・・・ぁ・・・は、アッ・・・!!」 サカキはハロルドに力で押し倒されて、すぐにアナルを押し開けられた衝撃に耐えようとする前に、胸の先端を吸われて観念した。 「ぅあ・・・はぁ・・・すごい、きつい・・・」 「はっ・・・そ、んな・・・あぁっ!うごく、な・・・!」 「きもちいい・・・んっ、もっと・・・」 ハロルドはしがみついてくるサカキの首筋に歯を立てて、さらに深く繋がるように両膝をすくって揺すった。 「ア・・・ァ!やめっ・・・お、く・・・っぁあああッ!!」 あまり慣らしていないところを奥まで貫かれてサカキは喘ぐが、その内実は屹立した先端から雫が溢れているように、性感を擦られる気持ちよさに蕩けている。 サカキの内襞はハロルドの成長しきったペニスをぎっちりと咥え込み、さらにざわめいて、もっと快感を得ようと、その逞しい凹凸に吸い付いた。 「ひ・・・ぁ・・・っ、は・・・ぁん!」 「あぁ・・・すごい・・・サカキさんの中・・・たまんない・・・」 少し血が滲んだ痕を舐め、ハロルドはうっとりとサカキをむさぼった。煽られたせいで、すぐにでもイってしまいそうなのだが、まだ明るいところで乱れるサカキを見ていたい。いつもしている動きでもサカキはよがってくれるが、先ほどサカキにされたように中をかき回してはどうだろう・・・。 指先のように自在にとは行かないが、ぴったりと奥まで入ったまま、ハロルドは意識してサカキの中を探った。湯とハロルドの先走りでぐちゅぐちゅと蕩け出した中、いつもと違う場所でサカキの中が締まったのを見つけた。 「ここ、どうです?」 「ひぃいィっ!?ぃあっ!ぁ、ああっ!やめ・・・ッ!」 「んっ・・・!すごい!こんなに・・・きゅうきゅう締め付けて・・・」 次第に激しくなるハロルドの動きに、サカキは陽光に恥ずかしい姿勢をさらして嬌声を上げた。 「だめ・・・そ、こ・・・やあぁ・・・っ!イくっ!もぉ・・・イくぅっ!!」 ハロルドは自分で揺らし始めたサカキの腰を押さえ、高ぶりの根元を指できつく締めた。 「やだぁ・・・っ!やあっ・・・イかせ・・・」 半泣きで首を振るサカキに口付け、ハロルドはその耳元に囁いた。 「サカキさんのえっちな声、よく響きますね?」 「っ・・・!」 ここが陽光さんさんと降り注ぐ露天だとわかっていても、どの程度谷に響くかなど、組み敷かれた状態で喘がされていてはわからない。 サカキは顔を赤くして、熱く疼く腰をなだめながらハロルドにしがみつき、かすれた声で強請った。 「はっ・・・ハロ・・・っ、頼むから・・・」 「イきたいですか?」 「イきたい。さっきの・・・早く!ハロ、はやく中にくれ・・・!」 かりかりと肩に爪を立てられ、ハロルドはサカキを縛めていた指を外し、つんと尖った乳首をこねながら、見つけたばかりの性感を卑猥な音も激しく突き上げた。 「いいッ!もぉ、でるぅ・・・!あ、あっ・・・!っああああぁー!!」 せき止められていた白濁がびゅくびゅくとサカキの腹に散り、ぎゅうぅっと締まった中がハロルドにも射精を促す。 「っ・・・!はぁっ・・・ぅ、んっ・・・!!」 「は、ひっ・・・ぁ、あぁ!」 一番奥に大量の濃い精液を吐き出されるのを感じて、サカキの快感に蕩けた表情が微笑む。サカキの腰が震えて、さらに締まる中の動きに搾り取られ、ハロルドが力尽きた。 「・・・ふにゃ・・・すごすぎた・・・」 「はぁーっ・・・はー・・・。イったばっかで、情けねぇ声を出すな。襲ったくせに」 「うぅ〜、煽ったサカキさんがいけないんじゃないですかぁ〜」 「可愛いハロルドのせいだな」 「だってサカキさんが好きなんだもん。可愛がってもらえないと、俺の存在意義がぁ・・・」 ぎゃふんとうなだれたまま、ハロルドはサカキを抱きしめる。湯が流れているとはいえ、硬い石床は少し冷たかった。 「ごめんなさい。痛かったでしょ?」 「んっ・・・、平気だ」 急いで体を離したが、情けなく眉を下げたハロルドは、サカキの中から出ても、まだもじもじとしている。 「どうした?」 「ぁ・・・いえ、その・・・」 ハロルドは体を洗い流そうとしていたサカキのそばまでにじり寄り、まわりに人がいないのに耳元に顔を寄せた。 「まだ、後ろが変な感じで・・・」 手桶を取り落としたサカキが、その手で顔を覆ってふるふると肩を震わせた。 「・・・くっくっく・・・」 「サカキさぁん・・・」 「わ、悪い・・・。そうか、ハロがよければ、プロに帰ってから続きをしてやる」 「えええっ!?い、いいですよ!!」 ハロルドはぶんぶんと首を横に振る。 「でも、よかっただろ?」 「う・・・」 よかったはよかったが、それを言ってしまうと続きを断れなくなりそうで、ハロルドは必死で言い方を考えた。 「俺は、サカキさんの中が気持ちいいんだもん」 「そうか。ハロの中も気持ち良さそうだったぞ?・・・熱くて、きつかった」 耳を舐めるように囁かれて、ハロルドの顔が真っ赤になる。 「〜〜サカキさんっ!」 「怒るな。ハロにその気がないなら、やらねぇよ」 ハロルドの頬にちゅっとキスをすると、サカキは湿った茶色の髪を撫でて立ち上がった。 「もう一回浸かって、温まってから出てこい。俺は喉が乾いた」 若干腰をかばいつつ屋内風呂に戻っていくサカキの後姿を見送り、ハロルドは言われたとおりに岩風呂に一人浸かりながら考えた。 サカキはセックスの時、いつも以上に優しいし、ハロルドがちょっと暴走しても傷付くような言葉で怒らないし、とにかく一緒に気持ちよくなるのがとても上手だ。 初めて後ろをいじられて、それが気持ちよかったせいで、普段なら気にしないことが、ハロルドの胸をちくちくと刺した。サカキはいままでに、どのくらいの男を相手にしてきたのだろうか、と・・・。 |