ネコの散歩道−2−
通りすがりの人たちが、ショックエモを出していく。オシリスを抱えているのが、マグヌスエクソシズムを撃てる退魔プリーストではなく、殴りプリとハイウィズなのだから・・・よく決壊もせずに戦っていると思うだろう。
当人達は色々な意味で必死であり、そんな周りを見ている余裕もない。二人とも、モンスターの攻撃に耐えられるほど丈夫な体ではない。マルコでさえ、真澄のクアグマイアが無ければ、一人でオシリスの攻撃を完璧には避けられない。まして、相手は際限なく取り巻きを呼ぶ。 マルコは真澄が出すSWを避難場所にしつつ、二人分の支援を切らさないように気を配る。その間にも、よく磨かれたチェインが、オシリス相手に信じられないような威力を叩き出した。真澄は自分とマルコを守りながら、呪文の詠唱なんてないような速さで、沼を敷いて、炎の壁を建て、吹雪を降らしていく。互いの背を守るように、最小限の被害で最大の効果を捻出する動きには、にわかパーティとは思えないほど無駄がない。 「そろそろフィニッシュだぜ!!」 「!」 マルコは真澄が出した炎の壁のそばへ、滑るように寄り添ってチェインを構えた。 「魔法力増幅!!」 「イムポシティオマヌス!!」 「・・・ストームガストォ!!」 吹き上がる炎に脚を取られたまま、勢いを増した氷の吹雪に立ち尽くす、その終わらない悪夢のような彷徨える死体に、銀鎖の打撃が喰い込み、突き抜けた。 古びた包帯がひらひらと崩れ、王冠が石畳に跳ねて消えていく。また蘇るとしても、死者はつかの間の眠りにつけたはずだ。 ぱらぱぱっぱぱ〜♪ ファンファーレと共に広げられた天使の翼を、二人ともぽかんと口を開けたまま見上げ、「おめでとうございますMVPです」のアナウンスも聞き流してしまった。 「え・・・?」 「お、おっ・・・おめぇえええ!!!」 マルコの足元からふわりと立ち上る、青白いオーラ。 「発光しちゃった・・・」 「予定外ッ!?誤発光ッ!?あっははははは!!」 真澄は残りのモンスターを掃討しながら、腹を抱えて笑い転げるという器用な真似をしているが、緊張の裏返しなだけで、身体は疼くような熱を持って仕方がない。 「ありがとう・・・あの、でも・・・」 マルコは呆然と立ち尽くしているが、その呼吸は浅く、眼差しはとろんと甘い。天使の祝福によって癒えただけで、ついさっきまであちこちに生傷をこしらえていたのだ。 真澄同様、周囲の理解と協力があって、いきなり理性が吹っ飛ぶことはなくなってきたが、それでもこの衝動だけは我慢しようと思ってできるものではない。 「帰るか」 「うん」 二人ともこの状態で、これ以上狩場にとどまるのは危険だ。マルコが出したポータルに、真澄はすぐ飛び込んだ。 互いの肩を抱き合って、おぼつかない足取りで懸命に床を蹴り、二人はマルコの私室に転がり込んだ。 シャワーを使う余裕も無く、喘ぐように唇をむさぼりあい、装備を脱ぎ捨てる。抱きしめる腕や手のひらが体をまさぐって、肌を擦る服地の感触すら、快感を呼んで吐息がおののいた。 「はっ・・・マルコ・・・もっと・・・」 ハイウィズのマントが床に落ち、手際よく白い上着がはだけられていく。さすがにいろんな奴を相手にしているだけはあるなぁなどと、真澄は変なところで感心してしまう。 二人とも、女に入れるが、男には滅多に入れない。後ろを使って快感を得る事ができるから、そっちの経験のない奴に無理強いしなくていいのだ。 だから、自然と発生する質問もある。 「真澄、どっち・・・、いい?」 「どっちでも・・・むしろ、どっちも。・・・てか、・・・っ毎回、聞くなよ」 「だって・・・」 「マルコは・・・はぁ、どっちも、気持ちいい・・・か、らぁ・・・ッ」 きゅっと乳首をつままれ、真澄は息を詰めて頭をそらせた。 「っは、ぁ・・・!」 「・・・嬉しいなぁ」 吐息のような声が、欲情にまみれていても本当に嬉しそうに、柔らかく真澄の耳に届いた。鎖骨の辺りに、マルコの唇の感触がある。 「あぅっ・・・んっ!・・・っも、だめ、か・・・ぁふ・・・っ!」 「本当だ・・・こんなに・・・」 真澄の膨らんだ股間を撫でていたマルコの手が、するするとベルトを外し、脱がせていく。硬く反り返った敏感なところを握りこまれ、真澄の身体が跳ねる。 「はぁ・・・っ!」 ぎゅっとすがりつくように法衣を握り締め、しなやかな筋肉を纏った首筋に唇を寄せる。 「俺ばっか・・・やだ・・・ぬげよ・・・」 ハイウィズと違って元々はだけられているプリーストの法衣を指先で繰り、滑らかで白い肌をあらわにしていく。後衛の真澄とは比べ物にならないような、戦うための筋肉が浮き上がった裸身に、うっとりと頬を寄せた。 「・・・真澄、可愛いね」 「なんだよぉっ。マルコに言われたかな・・・ぅあっ!」 マルコに軽々と抱えられて、真澄はぽすんとベッドの上に載せられた。半分以上脱げているボトムが引き抜かれ、開いた脚の間にマルコがかぶさった。 「ん・・・ふっ、じゅるっ・・・んっ・・・」 「ぅああッ!あぁっ!マルコ・・・っ、んっ・・・はぁっ!」 温かな口の中に包まれて、濡れた唇と舌が這っていく感触に、真澄はシーツを握り締めた。 最後の戦闘に入る直前から、真澄のそこはずっと起ちっぱなしだったのだ。思っていたより危ない場面にはならず、マルコの発光というイベントまで発生して少々気がそがれていたが、滑らかな肌触りの舌に括れを丁寧に舐められ、硬く反り返った。 マルコに敏感な太腿や脚の付け根を撫でられ、茂みに隠れた袋に口付けを感じ、真澄の体格に見合った大きさのペニスを丹念に舐めしゃぶっていく。溢れた唾液が伝い落ちる先で、それを塗りこめるように指先が襞を解す。 「ん・・・っ、やばいって・・・そこ・・・!」 すでに与えられている快感と、これからもらえる快感への期待に、真澄は自ら脚を広げ、もっと欲しいと腰を動かした。 「あ・・・っ、あっ・・・も・・・ぉ、でるぅ・・・っ!」 腰の辺りで渦巻く熱い感覚に、真澄はプラチナブロンドを指に絡ませながら自分に押さえつけ、背をしならせた。先端が柔らかな粘膜に擦れる感触と、きつく吸われる快感に、目の前が白くなるのを感じながら、甘く痺れる放出の衝動に震えた。 「あっ・・・ふ、ぁあああぁ!!」 びゅくっびゅくっと出すたびに、マルコの口の中でマルコの唾液と真澄の精液が混じって、また真澄の快感をあおる。啜るように飲み込まれて、声にならない悲鳴を上げた。 「んっ・・・。はぁ・・・真澄の、濃いね」 興奮に蕩けたように、マルコは再び真澄の茎に舌を這わせた。まだ付いている唾液と精液を舐め取り、指で扱きながら先端を吸うと、再び硬さを取り戻し始めた。 「あ、ひっぁ・・・ぅ、よせっ・・・マルコ!俺が先に潰れちまうって!」 フェラチオに夢中になっているマルコを無理やり引っぺがすと、真澄は自分のポーチから一本の試験管を取り出した。スリムポーションとは少し違う暖色の液体に、マルコは眉をひそめた。 「潤滑ジェル。作ったのはアルフォレアだけど、レシピはサカキくんだから大丈夫品」 信頼の製造元を聞いて、マルコは下着ごとトラウザーズを脱いでベッドに上がり、片手を差し出した。 「半分」 「いいけど、先に入れさせろよな」 「うん」 だいぶ理性がはがれてぼんやりしてきたマルコの手に、試験管の中身を半分だけ垂らし、真澄は残りを自分の手にあけた。 片腕だけで抱き合い、互いの口腔を舐め回し、脚を広げながら、相手の窄まりへジェルごと指先をねじ込む。 「んんっ!・・・ふっ・・・」 「はっ・・・ぁ、あっ・・・!」 奇妙な合わせ鏡のように、身体を絡ませ、脇や背をまさぐり、首筋や肩にキスをして、擦り付けあうように腰をくねらせる。身体のあちこちで弾ける快感に、自分でしているのか、相手にしてもらっているのか、だんだん境界があやふやになっていく。 せわしない息遣いと、根元まで埋めた指が感じるきつい締め付けと、自分の中で蠢く物足りない熱と・・・ くちゅ・・・じちゅ・・・ちゅぷっ・・・ 「ああっ・・・はぁ・・・っ、きもちいい・・・」 「ぃい・・・もっと・・・はぁ、んっ・・・」 「・・・ますみぃ」 ぎゅっと抱きついてくる力は強いが、声は甘く、腰はねだるように動いて、真澄より大きなマルコが、腕や腹に挟まれた間でせつなげに雫をこぼしている。 「マルコ、欲しい?」 「欲しい・・・っ、中に・・・中、いっぱいに・・・ぁんっ!」 「んっ・・・」 マルコの中から指を抜くと、真澄の中も失ったものを求めるようにひくついた。 四つん這いにして膝を開かせると、マルコは自分で腰を上げて真澄を誘った。真澄は自分のものにジェルを馴染ませるように、二、三度扱くと、妖しく濡れたマルコのアナルにあてがい、ゆっくりと押し広げていった。 「んっ・・・ぁ、ああっ!・・・っ、ますみぃ・・・っ!」 「あ・・・すごい、そんなに・・・締めちゃ・・・っ、はぁっ」 中は経験の多さに擦れることないきつい締め付けだったが、ジェルのぬめりを借りて、真澄はマルコの奥まで自分を埋めた。 「ぁ、んっ・・・気持ちいい・・・!はぁ・・・マルコぉ・・・!」 「あっ・・・あぁっ!ぼ、くも・・・気持ち、いい・・・っ」 ゆっくりだった動きはすぐに激しくなり、真澄の腰が打ち付けられるたびに、しなやかな筋肉を浮き上がらせてマルコの背や肩が震えた。 「マルコ、自分で擦っていいよ」 「ぅんっ・・・んっ、はあぁっ!・・・っああ!!」 「うっ・・・」 きゅうっと締まったマルコの中に、真澄は頭の中が蕩けそうな気がした。引き締まった筋肉のついた尻を両手で撫で、自分で扱きながら揺れている腰をしっかりとつかんだ。 「はっ・・・ぁ、やだ・・・もっと・・・っ!」 「・・・うん、マルコの中、かき回してやるから・・・」 甘い吐息の返事を受けて、真澄はきつい凹凸の中を、リズミカルに擦った。マルコの嬌声が上がり、慰めている手の動きも早くなっていく。 真澄の硬くなったペニスを咥えているマルコのアナルが、じゅぷっじゅぷっとジェルの卑猥な音を立てた。マルコとつながっている所はぬるぬるしているのに、真澄は自分のモノが喰われるような、痛みともいえない痛みに喘いだ。 「はぁっ・・・ぁっ、きもちいい・・・ッ!」 「ぁああッ!あっ・・・、ますみ・・・ッ!!ぁうっ・・・ぃ、い・・・っ!ぁ、ああああッ!!」 「いいッ・・・ぁあっ!く、ぅっ!!」 堪えきれないような悲鳴とともに、マルコの中がせつなげに蠢いた。真澄はきつい締め付ける中を擦り続け、舐め回されるような感触の一番奥に吐き出した。 |