宝石諸島の王子 −6−
カウチの上に膝立ちになり、背もたれと窓枠にしがみついて、クロムはさらされた下半身に与えられる愛撫に必死に声を殺した。
太腿や尻を撫でまわされ、いつもユーインを受け入れるところを指で解されて、溢れたオイルが内股を伝っている。 「んっ・・・・・・く、・・・・・・は、ぁんっ!・・・・・・ん、はっ・・・・・・ユーインっ」 「ふふふっ。なぁに、クロム?」 「っあ・・・・・・は、ぁあっ・・・・・・ッ!!」 ちょうど下を歩いていく召使が見えて、クロムは必至で袖を噛んで喘ぎ声を飲み込んだ。日差しはさんさんと中庭に降り注ぎ、窓辺に臥せっているクロムの白い髪にも、眩しい光を投げかけている。そして、ぐちゅぐちゅという卑猥な音とふたりの息遣いだけが、クロムの聴覚を支配していた。 「ふはっ、はっ・・・・・・」 「すっごい中が動いたよ、クロム?誰かいた?」 「ユーイン・・・・・・っ!あぁっ、だめ・・・・・・っ!」 緩やかにクロムの中を広げていくユーインの指を締め付けながら、クロムは快楽を求める自分の体を止めようもなく、すすり泣くように羞恥に身を浸した。 「もう、おねが・・・・・・っ、誰か、見ちゃう・・・・・・っ!」 「やめるの?クロムだって、こんなに硬くしてるのに?」 「ひ、やぁああっ!ああっ!だめ・・・・・・、ゆーいん!こすら、ないで・・・・・・ぇっ!はぁっ、ぁああっ!!」 ユーインに中途半端に前を擦られ、じわりと先走りが染み出す感覚に、クロムは腰を振りたいのをぐっと耐えた。 「や、だぁ・・・・・・っ、いじ、わる・・・・・・っ!!」 クロムが涙目で振り向くと、ユーインの表情から凶暴さが少し落ち、代わりに艶やかな微笑が染め上ってきた。 「そんな顔されたら・・・・・・もっと喘がせたくなるじゃないか」 近づいてきたユーインの顔にクロムも近づき、貪るように唇を重ねあわせた。何度も舌を絡ませ、クロムは羞恥と緊張に委縮していた体の内側が、ジンと熱くなるのを感じた。 「んっ、ふは・・・・・・っ、はっ、はぁ・・・・・・ユーイン・・・・・・」 「はぁ・・・・・・クロム・・・・・・」 ずるっとユーインの長い指が抜けていき、クロムは甘い声を上げた。広げられたあそこが物足りなくて、せつない。 「可愛いな、ひくひくしてる。・・・・・・すごく、欲しそうだ」 「ユ、ユーイン・・・・・・!」 「ねえ、欲しがってみせて?」 白昼堂々とそんな恥ずかしいことが言えるかとクロムは唇を噛んだが、こうしていてもまた中庭を誰かが通るだろうし、もしかしたらラダファムたちが戻ってくるかもしれないことにも気づき、とにかく一回ユーインを満足させねばならないと、自分の羞恥心をねじ伏せた。 「こ、ここに・・・・・・」 クロムは片腕で背もたれにつかまったまま、もう片方の手を自分の尻に伸ばし、ユーインにそこが見えるように腰を上げて、尻の肉をつかんでぐっと引いた。 下半身だけ丸裸にされ、脚を広げて腰を上げたクロムの尻は、アナルがオイルでどろどろになりながら柔らかく開き、白い股の間からはミルクタンクである袋が恥ずかしげに顔を出しているはずだ。もちろん、それもユーインに見えている。 片方だけ広げられた尻の窄まりをユーインに見つめられて、クロムは自分でもそこが物欲しげに動いていることが感じられた。恥ずかしいのに、ユーインから与えられる快感を期待して、早く犯して欲しくて、クロムのペニスはかちかちに反り返って先走りを溢れさせていた。 「あ・・・・・・はっ、お願い・・・・・・ユーイン、ください・・・・・・っ」 「何が欲しいの?」 「ユーインが・・・・・・ユーインが、欲しいです!ユーインの、大きなペニスを・・・・・・硬くて、おっきいのがいいんです!いっぱい、こすって・・・・・・!奥まで、いっぱいに・・・・・・」 壊れたように淫らな言葉を吐き続けるクロムのアナルに、ぴたりと温かいものが触れ、自分の言葉で感じていたクロムの体は、それだけでイきそうになった。 「あっ、はぁあああああああ・・・・・・ッ!」 ずぶずぶと入ってくる硬い楔に、クロムは外に聞こえることも忘れて、腰を震わせながら嬌声を上げた。 「ああっ!イイッ!ユーインの・・・・・・ユーインの、くる!はぁん!あぁん!」 両手で窓枠につかまり、クロムは恥ずかしさも忘れて腰を振った。 「くすくす・・・・・・気持ちいい?」 「いいっ、きもち、いい・・・・・・!はぁっ、ああっ、もっとぉ!」 クロムの暴れる腰が両手でしっかりと押さえられ、しっかりと硬い肉棒がゆっくりと入ってきた。その質量に満たされ、クロムはうっとりとため息のような声を出しながら、蕩けた微笑を浮かべた。 「ふあ、ああぁ・・・・・・っ!」 「っ・・・・・・、押し返されるな。本当に、クロムのここは・・・・・・っ、こんなにどろどろになってるのに、きつくて・・・・・・!」 「あっ、あっ!すごい・・・・・・ッ!奥まで、く、るっ!はぁっ、ふ、かいぃっ・・・・・・!はひっ!そこ、こすっちゃ・・・・・・!ぁああ!!」 クロムの中をいっぱいに広げながら、ぐちゅぐちゅと音を立てて出入りする楔に絡みつき、吸い付く。凸凹をゴリゴリと擦られるたびに、目の前がチカチカとした。次第に速まってくる動きを必死に受け入れ、クロムは背もたれと窓枠を握りしめ、舌を出して喘いだ。 「はぁっ、そんな、はげし・・・・・・ぃ!あひっ!イく・・・・・・!ユーイン、ごつごつ、くるっ!おくぅ!ユーイン・・・・・・イくぅ!」 押さえつけられたままで腰を振ろうとするクロムに、ユーインの腰使いが一層激しくなる。クロムの太腿には、アナルから溢れだしたオイルと自分の先走りが伝い、亀頭が押し上げた長いシャツにもシミを作っていた。 「こんなにエロくなって・・・・・・、可愛いなクロム。っ、ほら・・・・・・中に、奥に、出すよ?」 「あぁ、いいっ!おれ、もう・・・・・・でちゃう!ユーインに、ごつごつされて・・・・・・中出し欲しいッ!なか、ください!おれに、ゆーいんのざーめん、くださいぃ・・・・・・ッ!!ああァっ!!」 激しいピストンで突き刺さるユーインの雄を締め上げ、クロムはシャツの上から自分の雄をつかんで扱いた。その瞬間、自分の腹の中に注ぎ込まれる熱を感じた。 「っ・・・・・・!」 「ふぁあああっ!!ああっ・・・・・・でるぅう!!ぅああああぁ!!!」 びゅくびゅくとシャツを濡らしながら、それでもクロムは自分を扱き続け、自分を串刺しにしている豪槍を、腹の中で愛撫し続けた。 「はぁ・・・・・・っ、ん、クロム、すごすぎ・・・・・・。まだ、俺を離してくれない?」 ユーインの両手がクロムのつかまっている背もたれに届き、クロムの耳がユーインの唇に挟まれ、温かな舌に舐められた。 「はぁ・・・・・・んっ!はっ、はっ・・・・・・はぁ・・・・・・」 ユーインに頭や胸を撫でられ、背中に温もりを感じながら、クロムはぐったりとカウチの背もたれに突っ伏し、快感の余韻に浸っていたが、ここがベッドではないことを思い出して、急に頭が冷えてきた。 「あ・・・・・・」 慌てて窓の外を見渡し、一瞬人の影らしきものが建物の出入り口で動いたのが見えた。 「・・・・・・・・・・・・」 「クロム、もう抜いていい?それとも、このまま続ける?」 「・・・・・・うっ・・・・・・」 「どうした?」 快楽に流されたのは自分だし、いつもと違うスリルに燃えたのも事実だ。そして、ユーインに仕込まれるままに、淫らなことを口走ってしまうようになったのも・・・・・・。そして、それを誰かに聞かれてしまったのも・・・・・・。 「ユーイン」 「な、なに?」 体を起こすと同時に、ずるりと抜けていった楔の感触に、甘い吐息を詰めながらも、クロムはどろどろになった下半身を隠そうとシャツの裾を思い切り下に引っ張りながら、ユーインをきっと睨んだ。 「責任!取ってくださいねっ!俺は・・・・・・俺は、たぶん悪くないですッ!」 「はぁ?」 恥ずかしさに涙を浮かべるクロムを見て、ユーインは何を勘違いしたのか、にっこりと笑顔になった。 「うん、クロムのことは、もちろん全部面倒みるよ?まだ足りないんだよね?ちゃんと約束通り、今度はベッドでするからね」 「そ、そうじゃな・・・・・・」 「ああ、そうか。カウチはあとで掃除させるから、気にしなくてもいいんだよ」 「だからっ・・・・・・」 クロムが上手く言葉を選べていない間に、ユーインはさっさとクロムの衣類を拾い上げ、それをクロムの腰に巻きつけて抱き抱え上げた。 「わぁっ!」 「さあ、ベッドに行って、もっとしよ。ちょっと早すぎたし、激しかったから、今度はゆっくり可愛がってあげるよ」 「え、えっとぉ・・・・・・」 優しい笑顔でケダモノ発言をするユーインを諦めると同時に、クロムは拒否しようと暴れることなく抱き着いてしまっている自分自身にも、諦念を抱かずにはいられなかった。 体中が熱くて、特別背中の腰の上が痛くて、喉が渇いて、息が苦しくて・・・・・・ただ、苦しくて・・・・・・。 「奴隷じゃない!大事な友達だ!!・・・・・・あんたには、友達いないのか?他人にこんなことされて・・・・・・自分が怒るほどの友達いないのかよ!?」 「いまのところいないな。それに、必要ない」 「・・・・・・・・・・・・」 「わかった、こうしよう。予はお前と友達になる」 「は?」 「法の遡及は野蛮人のすることだ。よって、それの所有権は予にあるままだ。しかし、予は友達となったお前には、共に戦うことを許す。・・・・・・それを持っていても構わん」 「なっ・・・・・・んて、えらっそうに!!」 「別に、予が持って帰っても構わんぞ?」 「持っていくな!」 「いい加減に、力の差をわきまえよ。・・・よいか、お前と予が結託して、一番恥をかくのは誰だ?」 「・・・・・・」 「わかったな?お前は何も失わないし、とりあえずそれもこのままだ。あとは予が勝手にやる。それ以上のことを、お前ができるか?」 「くっ・・・・・・わかった」 頬に当たる手が、ひんやりとして、気持ちがいい。 「触るな!」 「これは予のものだ。誰にも渡さぬ・・・・・・ククククッ」 「・・・・・・・・・・・・」 苦しい・・・・・・でも、もっと・・・・・・撫でて。気持ちいい。ひんやりとした手が・・・・・・優しくて・・・・・・。 |