オアシス 4
「つっ・・・」
その反射的なうめきに、少年の背を支えていた方の目が据わった。 「・・・こっちもか」 「・・・」 濡れたシャツを剥ぎ取った背も、カラフルに染まっていた。しかも、皮膚が裂けて瘡蓋になったところや、ひどく鬱血して青や黄色になったところが目立つ。 また微睡みの君主の怒りヴォルテージが、ふつふつと上がってきているのを感じ取り、ジュンは身を縮めた。 「申し、訳・・・ありません・・・」 「ふん」 消え入りそうな声を一蹴すると、微睡みの君主はシャツだった布切れをぽいと放り、慣れた手つきでジュンをうつぶせた。ジュンも大人しく四つん這いになると、未熟にも収納できない翼を折りたたんだ。 頭を垂れたジュンの黒髪から、ぽたぽたと水滴が滴る。 「ひっ・・・ぅ、あ・・・」 びくんと頭を上げた拍子に、そぼ濡れた髪が跳ねる。 治りかけの擦過傷に、今日出来たばかりの赤痣に、長いこと痛むところにも、優しく酷い舌の愛撫が這っていく。 「あっああっ・・・いっ・・・う、はあっ・・・」 ぞくぞくと湧き上がる、むずがゆいような気持ち良いような感覚に、ジュンは大理石の床に爪を立てた。お行儀よく折りたたんだはずの翼も、ひくひくと震えている。 「ひぃんっ・・・ん、くぅ・・・うっ」 いつの間にか硬く尖りだした乳首をぎゅっとつままれ、熱いものが下腹部に集まってくるのを止められない。 「あ、ああっ・・・」 「ふふっ。ジュンは乳首をいじられるのが好きだね」 「ん・・・っ」 「ほら、我慢しないで、もっとイイ声を聞かせてよ」 指先で胸をいじられている間も、背には舌が這い回り、意地悪く青痣に甘噛みしたりしてくる。 「はっはあっ・・・いっ・・・ぅあ・・・っ」 「ジュンは、もう僕のものだよ。これからは、他の誰にもこんな傷を付けられたらダメだからね」 はむっと肩にある痣に噛み付き、息を呑んで上がった顎をとらえると、無理やり振り向かせるように、その唇に吸い付く。 「う・・・っん、あぅ・・・・・・ぅふくううんっ!?」 切なげに眉をひそめたジュンが、口を塞がれたまま、鼻にかかった嬌声を上げた。 「あっは。すっごい、かっちかち。若さだね」 「あっ、ひ、ぃあ・・・や、め・・・だめぇ」 白い指で服地の上から扱かれただけで、ジュンはイってしまいそうになった。 「うん?やめていいの?」 「でちゃ・・・イっちゃ、います・・・」 「うーん、そうだね。まだ早いよね」 ぱっと手が離れると、刺激がないのもまた切ないのか、鼻にかかったような吐息がもれる。 その間に、せっせとボトムが緩められ、ぺろんと剥かれた。もちろん、元気に反り返るあそこも、湯煙に撫でられた。 「あっ・・・」 「んー、もっと脱がしやすい・・・て言うか、ヤりやすい服を買ってあげるね」 飼い主の鑑のような、肉親として不良のような発言をしつつ、微睡みの君主は濡れて重くなったボトムを器用に脱がせた。 「うん、綺麗綺麗」 満足げに白い尻を撫でると、恥ずかしげに股間に垂れる尻尾を掴み上げ、その根元に頬を寄せた。 「ぺちゃ・・・ちゅ・・・ん、じゅるう」 「ひやああぁああっ」 根元を唾液に濡らされて黒光りする尻尾の先端が、ぴんと天井を向いて、ひくひくと小刻みに揺れた。たたんであった翼など、だらしなく広がってしまっている。 「あっあっ・・・ふうっ、ひんっ・・・」 「んん、ここ相当弱いね。今度から言うこと聞かないときは、ここをいじめることにしよう。決定。ほら、もっと脚を開いてよ〜」 ずずっと膝を広げさせ、尻尾を引っ張るように腰を上げさせると、ぷくりとした子種袋を伝って滴り落ちる水滴が見えた。 「あれ?イっちゃった?」 横から回り込んでみると、腹に付きそうなほど反り返ったペニスから、とろとろと先走りが溢れているのが見えた。そこまでして射精を堪えているとは、なかなかの根性だ。 「ジュン〜?」 「・・・は、い」 かすれた声が、ぼんやりと漂ってくる。 「えらいよジュン。ちゃんと我慢したんだね」 「は・・・は、い・・・んあああっ」 尻尾から伝い落ちる唾液を追って、白い尻の谷を、うねうねと舌が這い降りていく。その先には、すでに濡れ光るつぼみが、開かれるのを待っている。 「あ、あっ・・・そ、こはっ・・・だめっ・・・舐めちゃ・・・舐めちゃっダメですぅっ」 そんな涙声の哀願などお構いなしに、つぷりと舌が差し込まれ、そのままくちゅくちゅと動かされる。 「あんっああぁあっぅ」 「・・・」 アナルを舌でいじられる快感に身悶えるジュンから、微睡みの君主はつと身を離した。その拍子に、ふるっと白い尻が揺れたのも、見逃さない。 「はあぁっ・・・ぁん・・・」 「ジュン、初めてじゃないな?」 「あ・・・」 「ここもか・・・」 もう、ジュンが怯える時間も与えなかった。ジュンのペニスの根元を、ぎゅっと指で締め付けると、自分自身を一気に埋めた。 「うああぁああっあっああぁ」 射精をせき止められたまま、鉄のように硬いモノをずぶずぶと挿入され、ジュンは歓喜の絶叫を上げた。 無理やり性欲処理の肉便器にされたことは何度もあったが、その相手の誰よりも立派で、実はジュンの感じやすいところを余すところなく擦りあげていくのは、偶然か、それとも・・・。 「あ、ひぃっ・・・い、お・・・おおき、すぎ・・・」 「いーい、ジュン?コレが、お前のご主人様。我が君様のイチモツなの。ちゃんと形と大きさを覚えなさい」 「かはっ・・・は、ひぃ・・・。ひぎぃいいぁああ」 今度は一気に引き抜かれ、ジュンは舌を突き出したままの口の端から、ぽたぽたと唾液を零した。 擦られることに慣れた直腸内が快感に蠢き、物欲しげにアナルがひくつく。 ジュンのペニスは反り返ったまま、まだしっかりと根元を微睡みの君主が握っている。限界を超えた快楽に、目の焦点が合わなくなっていた。 何でもいい、もう一回あの太いペニスが欲しい。もっと気持ちいいところを擦って欲しい。奥まで、突いて、かき回して・・・。ああ、早く入れて!早く入れて!! 「さ、これでわかったでしょう?ジュンは誰のものですか?ちゃんと答えなさい」 「は・・・あ、あぁっ・・・お、おれ、は・・・まどろ、みの・・・くん、しゅ・・・さ、まの・・・ぅく、ぁあ・・・はぁっ、くんしゅ・・・さま、の・・・もの、で、すっ・・・」 その言葉が、ジュンの人生を決定付けたことに、理性の吹っ飛んだ本人は、まだ気付いていないだろう。切れ切れに言い終わると、早く欲しいとばかりに、白い尻が揺れるのが、何よりの証拠だ。 「こら、はしたない」 ぺちん、と平手を食らっても、あの太さを覚えたジュンの尻は、ねだるのをやめない。 「はっ・・・はぁっ・・・」 「欲しいときには、ちゃんと言いなさい。ジュンのどこに、僕のナニが欲しくて、どうして欲しいのか」 「おれのっ・・・おれの、お尻に・・・微睡みの、くんしゅ・・・さま、の・・・あっ・・・お、大きな、おお、きな・・・おち○ぽを・・・!ああっ・・・お願いしますっ!おれの、アナル・・・お尻の穴に入れて、ガンガン突いてください!も・・・イかせてくださいっ・・・ぅあああああっ!」 じゅぶずぶぅっと再び突き入れられると、やっとジュンを縛めていた指がはずされた。 「いい子だね、ジュン。さぁ、僕だけのものになったお前のお尻で、僕を気持ちよくさせて」 「はい・・・はい、我が君・・・ああっあっあっ!」 本当は一回でも擦られたらイってしまうところだった。でも、ジュンは自分のご主人様の言ったことを、ちゃんと聞いていた。 「はっひぃっ・・・いいっ、きも、ちいいっ・・・あんっ、あんっ」 「ああ、気持ちいいよ、ジュン。すごく締め付けてくる」 激しく打ち付けるたびに、アナルはぎゅっと締まり、腸壁が絡みついて、棹にも亀頭にも優しく吸い付いた。 「ほら、イっていいんだよ。ジュン、イってよろしい」 「は、はいぃっんっく、ぅあぁ、イイッ、もっいくぅうっ」 「はぁん」 お許しを受けてぎゅううぅっと締め付ける中に、ぱんっと奥まで打ち付ける。 「ぅっああぁあぁああっ」 勢いよく噴出したジュンの精液が、音を立てて大理石の床に降り注いだ。 「ああ、いっぱい出たね。なんて可愛いんだ」 「はぁっ・・・はあぁっ・・・ああっ、また・・・そんな、うごいちゃ・・・あああっ」 「ジュンが可愛いんだもん。僕も、我慢できないな・・・んっ、はあっ・・・気持ちいいっ」 「あんっ、ああ、ん・・・また、またイくぅっ」 湿った卑猥な音を立て続けるジュンのアナルの奥へ、ひときわ深く、がちがちにこわばったモノが突きこまれる。 「んっ、出るっ・・・よぉ」 かき回されてもねっとりと絡みつく腸の奥深くに、白濁した精液がぶちまけられた。 「ひいぃっ・・・れてるぅ・・・おれの、おれのなか・・・ああっ・・・すごい、すごいぃっ」 ご主人様の精液を、おなかいっぱいにいただいたジュンは、焼き切れるような快感の中で、がくがくと震えながら二度目を放っていた。 |