オアシス 1


 天蓋付きのベッドがある豪奢な寝室で、その部屋の持ち主は両手を後ろにしてM字開脚のまま縛められ、天井から吊るされるという、かなりしんどい姿勢を強いられていた。
「はっ・・・はひっ、いっ・・・イイッ、あっ、はふうっ」
 リズミカルに下から突き上げられるたびに、片方でさえ両手に収まらないのではないかと思える巨乳が、汗の玉を散らしてゆっさゆっさと揺れる。
 惜しげもなく晒された金色の茂みの奥で、ぱっくりと口を開けた陰唇が、抜き差しされる太い肉棒を加えたまま、ダラダラと愛液を吹き零している。
「イイッ!い、くっ!・・・ひくぅぅ!!」
「だーめ」
「ひやあぁ・・・っ!」
 ぱちゅんぱちゅんと音を立てていた結合部の動きが止まり、吊り下げられた方は長い金髪を振り乱して身悶えた。
 「女の子同士で」というはずだったのに、言い出した自分から入れてしまったそのお返しにと「お仕置き」されているわけだが、相手の焦らし方がハンパでなかった。手をかえ品をかえ、かれこれ3時間はイかせないままの生殺し状態が続いてた。
「おねがひぃ・・・ごめんなさぁい。もぉしないからぁっ」
 誰もが溜息をつくような美貌をゆがませて、ぼろぼろと泣きながら懇願する最中も、物欲しげにひくつく肉襞にこすりつけようと女の腰は動き、ぎしぎしと鎖や革ベルトをきしませた。
「イかせてぇ・・・!」
 恥も外聞もなく泣き叫ぶ痴態に、冷厳な・・・それでいて若い女のようなチャーミングな声が、仕方ないとでも言うように小さく吐息した。
いかずち、もう僕が竜に騎乗しているときに、後ろから襲ったりしない?」
「しないっ!しないよぉ!・・・まどろみぃっ」
「よし。じゃあ、仲直りのキスだ」
 にこっと微笑んで、服を着たままの黒髪の若者は、目を閉じて、その妖艶な赤い唇を差し出した。緊縛された美女の唇が、届くか届かないかのぎりぎりの距離に。
「はぁん・・・んんっ・・・んちゅっ」
 必死に舌を伸ばしてその唇に触れると、逆にぱくりと赤い唇に吸い込まれた。
「んんっ・・・ぁはんぅ・・・」
 ちゅぅうっと舌を吸われただけで、泣き顔がとろんと蕩けた。ついばむ様に唇を合わせ、物足りないと口を開けば、あやすように唾液にまみれた舌を与えてくれる。
 もう怒っていないと言っているかのような優しいキスに、下の口もじゅくりと熱を帯びた。
「はっ、はあ・・・微睡まどろみ・・・おねが・・・もぉ・・・」
「どうして欲しい?」
 この期に及んで、この若者はまだ鬼畜な問いかけをする。
「アタシの・・・アタシのお○んこに・・・入れてっ・・・いっぱい、突いてぇ・・・!」
「よく出来ました」
 理性を保ったままのクールな微笑が、それとは裏腹に反り返ったモノを根元まで突き入れる。
「はあぁぁああああん!!」
「すっごいね、雷。中、ざらざらぎゅうぎゅういってる。・・・さっきから愛液垂れ流しで、僕の脚までべとべとなんだけど。まだ出るの?」
 汗の玉を飛ばす健康的な小麦色の肌に、長い金髪を張り付かせながら悶える美女には、もはや聞こえていないようだ。
「はひっ・・・ひごぉ、おくぅ・・・あた、る・・・いいぃっ」
「あは。ここでしょ」
「ひいいぃぃっ」
 ごんごんと最奥を突き上げながら、たっぷりとした重量級の乳房を両手で掴み、むにむにと揉みながら、つんと尖っている乳首を指先でひねり上げた。
 その瞬間、電撃でも走ったかのように、美女の背が痙攣する。
「ぁあううっ」
「イクよ?」
 その囁きが、唾液を絡ませ合う音と、肉がぶつかり合い、ねっとりした液体を攪拌する音にかき消される。
「あっ!あっ!ああっ!イイッ!いいよぉっ!!」
「奥に出すからねっ。ちゃんと、受精してよ!」
「ああっ!アタシっ・・・アタシのタマゴにっ・・・!きてっ!全部・・・ああっ、微睡みの・・・微睡みのっ・・・せ、せーしっ!あたひ・・・ひぐっいくっ!れるぅっ!!ひきゃぁあああアアッ!!」
 子宮口を抉じ開けられると同時に、ぷっくりと勃起したクリトリスを押し潰すように恥骨に擦り付けられ、絶叫を上げて滑らかな喉が反り返る。
 その反動は生き物のように蠢く肉襞に還り、根元まで埋め込まれて激しく擦り続ける肉棒を、絞り上げるように締め付けた。
「んっ・・・!はっはあぁっ!あっ・・・ぃ、くっ!」
 蕩ける様な快感に、うっすらと頬を上気させた華奢な背中がびくんと硬直した。
「はひぃぃいいっ!れて・・・れてるぅぅ!!」
 がっちりと締め付けた下腹部に、熱い奔流がどくどくと感じられ、二度目の絶頂というより、すでにイキっぱなしの美女が痙攣する。十数秒をかけて、大量の精液が子宮に注ぎ込まれ、その感触に美女の顔がだらしなく蕩ける。
「あふ・・・ひっぱぁい・・・ん、あっ・・・ダメッ。溢れちゃ・・・くうぅ、ん」
「ぅあ・・・ちょ、雷・・・締めすぎっ」
「ぜんぶ・・・ぜんぶ、かはっ・・・あ・・・種付け・・・するぅ・・・」
「きゅうっ・・・絞られ・・・あ、だめっ!だめ、また・・・んんっ!」
 意思を持った生き物のように絡みつく膣壁が、容赦なく最後の一滴まで吸い上げた。
「はあぁ・・・。相変わらず、バケモノみたいな・・・」
「くふぅ〜ん。名器って言ってよぉ。シツレイしちゃうわ」
 恍惚とした表情のまま、雷の王はニヤリと笑った。
「抜くよ〜」
「ああん!」
 生木を締め付ける万力のような膣から、射精したにもかかわらず、いまだしっかりと形を保ったままの男根がずるりと引き抜かれると、二人分の淫液が糸を引いて滴り落ちた。
「はひぃん。まだ硬くて、擦れただけで・・・!」
「はいはい。コレはずすよ」
「お願ぁい」
 革ベルトが外れると、むっちりとした太腿や形の良い脛に、うっすらと赤い痕が付いていた。
「痛くない?」
「んん、ヘーキ。すぐ消えるし、お仕置きだったしね。ほら、こっちは痕付いてないよ〜」
 差し出した伸びやかな腕や脇には、あれだけ長時間吊るされていたにもかかわらず、わずかな凹み程度で、それすら消えかけている。
「微睡みちゃん優しいから、だぁ〜い好き」
 きゅっと抱きついてキスの雨を降らせる美女の巨乳が、それほど厚くない若者の胸板とに挟まれて、むにゅっと形を変える。
「ん?」
 巨乳とは別の感触に、唇と舌を顔に這い回らせながら、微睡みの君主は首をひねって視線を下に向けた。
 いつもなら腹筋が見えるほどに引き締まった雷の王の腹が、ぽこぽこと膨らみ始めていた。
「うわ、本当に孕んだ」
「あはぁん。まっかしてぇ!」
 ふりふりと腰を振ると、膨らんだ腹もぷるんと揺れる。
「微睡みちゃんの子種を、一滴残らず生殖に使わせてもらいましたぁ。んふ、ちょっと産んでくるから、お風呂でも入ってくつろいでいてねぇん」
 いってきまーすと手を振り、金髪美女は全裸のままで、元気よく部屋を出て行った。
「・・・やれやれ」
 雷の王の明るさには、なんだかいつも助けられているような気がした。微睡みの君主のテンションが、基本的にローであるせいかもしれないが、そこからさらに憂鬱や苛立ちモードに突入すると、雷の王以外は、話しかけるどころか、近づくことすら出来ない。
 こうして気を紛らわしたりしてくれる雷の王に、自分は依存しているのかもしれない。そう、微睡みの君主は思うのだが、雷の王にも計算や思惑があるのは、うすうす感じている。もっとも、そのほとんどが淫らなシタゴコロで占められているのだが。
 汗で肌にくっついた、羽衣のような上着を脱ぎながら、微睡みの君主はバスルームに向かうべく、寝室を後にした。