狂犬と子猫 −2−


 されるがままでも、みつきは初めてではないと、クラスターは安心した。見知らぬ相手で戸惑っているとはいえ、舌を絡められて応えられるのは、けっこうな経験者だ。
「処女だったら面倒だと思ったところだ」
 クスクスと意地悪く笑う男に、みつきは真っ赤になって反論する。
「しょ・・・男の人とは、初めてですっ!」
「普段は?」
「お・・・お姉ちゃん、と・・・」
 消え入りそうな声に、クラスターは大笑いしたいのをこらえた。
「なんだ、姉妹でレズってんのか。じゃ、開発済みだな」
「ひゃっ」
 首筋を甘噛されて硬直するみつきのブラウスを、クラスターは手際よくはだけさせた。滑らかな鎖骨に続き、白のレースとクリーム色のシフォンに包まれた果実があらわになる。
「あの・・・っ」
「なんだ」
「で、できれば・・・その」
「ソファじゃ嫌か?」
 たしかに、狭いソファよりも、ベッドの方がやりやすい。クラスターは身を起こしかけて、逆に胴衣をつかまれた。
「あのっ・・・お、お名前を、教えてください」
 赤くなった顔のなかで、青い大きな目が、自分を押し倒している男を見つめている。
「クラスターだ」
 短めの髪に見え隠れしている耳に囁き、それを閉じ込めるように舌を這わせる。
「ひっ・・・や、ぁ・・・っ」
 びくびくと跳ねる体を押さえつけたまま、ブラウスと可愛らしいブラジャーを剥ぎ取った。
 こんなに白くて柔らかな肌は、クラスターの経験の中でも初めてお目にかかる。しかし、良く考えてみると、普段の相手は戦い慣れた冒険者や、海千山千な商売女であって、みつきのようなタイプはいない。・・・腹筋が割れた女を見慣れるのも、少し問題かもしれない。
「みつきは柔らかくて、抱き心地がいいな。それに、旨そうな匂いがする」
 ぷよんとした乳房は、クラスターの手の中で控えめに形を変えた。大きくて柔らかいが、垂れてしまうことはなく、しっかりと張りがあるのは実にけっこう。
(はさめると言って垂れたものを見せられるほど、萎えるものはないからな)
 きれいなピンク色の乳首を口に含むと、間違えようのない嬌声が、のけぞった喉から漏れ出した。
「ク、ラスターさ・・・だ、め・・・んっ」
「なにがダメだ。いつも姉ちゃんにされているんだろう」
「やぁっ・・・言わな、い・・・ひうっ」
 つんと勃起した乳首を、唇で強くはさんだり、舌で執拗に嘗めたりするたびに、みつきの指先がクラスターの肩に食い込んだ。
「はぁっ・・・あぁっ・・・」
 もう片方の乳房も揉みしだきながら、空いた方の手でスカートのホックを探る。肩同様に細い腰が、快感にじれている。
「そんなに腰振って・・・欲求不満だったのか?」
「ちっ、ちが・・・きゃうっ」
 乱暴にスカートを引き抜くと、そのまま開かせた滑らかな太ももの内側に噛み付いた。
「いっ・・・」
「ふん、また漏らしたのか?みつきのここはだらしがないな」
「ちがっ・・・ひゃあん!」
 湿りだしたクリーム色の小さな生地を脇に寄せて、薄い陰毛にしか守られていないクレバスに、武器を握り慣れた無骨な指を滑り込ませた。
「あんっ・・・や・・・ふぁあ・・・ぁ、いっ・・・」
 十分に濡れたそこは、くちゅくちゅと音を立てて、クラスターの指を熱く締め付けた。だが、入り口はまだしも、やはり、奥の方はかなりきつそうだ。
「男を知らないってことは、こっちの方が感じるか?」
 クレバスの先端を、唾液を乗せたままの舌で薄い布越しに強く探ると、すぐにぷくりとした塊を見つけた。同時に、少し引き戻した指で、その裏側をこすり上げる。
「いやぁああっあっ!・・・だめぇっ、あぁんっ!」
 力の入っていない小さな手が、クラスターを退けようと頭の辺りを探ってくるが、がくがくと振られる腰はクレバスから愛液を吹出し、開かされた白い太ももがクラスターの肩に引っかかったままだ。
「ら、めぇ・・・っ!ひぃっ!・・・いっちゃう!いっちゃ・・・クラスターさ・・・っうあぁああっ!!」
 二本の指がぎゅうっと締め付けられ、そのあとの痙攣が治まるまで、クラスターは勃起したクリトリスから唇を離さなかった。
「ちゅっ・・・やっぱり、こっちは姉ちゃんに開発され済みだったな」
 男で言えば、フェラチオされたまま、肛門に突っ込まれて前立腺を刺激されているのと一緒だ。これでイかない女はいないが、それでも未熟で未開発な体では、ポイントがつかみきれない。
 入れたのはほんの指先だけだったが、引き抜くと、それだけでみつきの体が跳ねた。
「はぁ・・・はぁ・・・うっ・・・クラスターさん、ひどいですぅ」
 耳まで真っ赤になったみつきの体も、上気して桜色になっている。
「ひどいのはお前だ。一人で先にイきやがって。戦闘センスと一緒で、こっちも堪え性がないな」
「ひぅんっ!」
 理不尽な事を言うクラスターは、下着の中に入れた手で尻を撫で、そのままぐしょ濡れになった布切れを脱がせた。
「悔しかったら、俺をイかせてみな」
 ソファに深く腰掛けると、クラスターは全裸に剥いたみつきを、上から下まで眺め回した。うむ、尻尾があればなおいいが、とりあえずは首輪が必要だ、と一人頷く。
 みつきの方はといえば、おずおずとクラスターに近付いて、薄い唇に自分を重ねた。されるのは慣れていても、自分からするのはおっかなびっくりといった感じだ。
「はじめてだからって、気にするな。どんな女でも、最初はヘタクソだ。童貞がヘタクソみたいにな」
 みつきはくすっと笑って、頷いた。
(お、可愛い)
 初めてみつきが見せた笑顔に、クラスターの雄も機嫌を良くする。
 クラスターの脚の間に跪いたみつきが、テントを張った男のファスナーを下げて出てきたものにびっくりしている顔も、なかなか見物だった。
「すご・・・」
「まぁな」
 態度と同じで無駄に大きいことは自覚しているので、謙遜することはない。これでひぃひぃ言わせた女も、数知れず。
「これでみつきを女にしてやるんだから、しっかり立たせろよ」
「はぁい・・・はむ、んちゅっ・・・ぴちゅ・・・」
 技術が伴わないことはわかっていたが、竿に唇や舌が吸い付くと、息がかかって逆にくすぐったくて仕方がないことに気がついた。酔ったような目でクラスターに奉仕するみつきは、たしかに可愛いのだが・・・いつもの凶暴な征服欲が頭をもたげて、それを抑えるようとする意志もなくはないが、努力しようというほどのものはない。
「みつき」
「んふぁ・・・ぃ、なんで・・・うぐっぅ!?」
 突然頭を抑えられて、巨大なイチモツを口に突っ込まれ、みつきは苦しげに喘いだ。最大時ではないとはいえ、みつきのちいさな口では、やはりクラスターのモノを咥えるには無理がありそうだ。
「奥まで咥えなくていい。その代わり、手を使え」
「んぐっ・・・んっ・・・ふっぅ・・・」
 飲み込めずに溢れ出した唾液を口の端からこぼしながら、みつきはクラスターに言われたとおりにした。
 柔らかな舌に筋を包むように撫でられるのも、張り出したカリに温かな唾液が絡むのも、上顎に当たった先端が時々吸い込まれるのも、気持ちがいい。恐る恐る触れていた細い指が、溢れた唾液と先走りで濡れて、クラスターをしごく動きにだんだんと熱がこもっていく様子など、いやらしくて大変よろしい。
 素直だし、きちんと教え込めば、クラスター好みのテクを持った女になるだろう。
(ええと、こういうのをなんて言うんだったかな?)
 アマツの昔話か何かだったと思うのだが・・・ギルドに帰ってから、プロフェッサーに聞いてみよう。
 クラスターは自分の胴衣に手をかけた。このままでもかまわないのだが、騎士の胴衣は裾が長く、SEXをするには邪魔だった。
「初めてにしては、けっこう上手いぞ。そろそろみつきのちっさいお○んこをぶち抜いて、ぐりぐりこすってやるかな」
 みつきが口を離すと、天を突くように反り返った。この剛槍で突きまくるぎちぎちの膣は、さぞ具合がいいだろう。
「・・・」
「なんだ?」
 みつきの視線は、クラスターのモノではなく、その上に注がれていた。
「あの・・・触っていいですか」
「?」
 クラスターの脚をまたぐようにソファに上ってきたみつきの興味は、荒縄を巻きつけたような筋肉の盛り上がり方をする、一片の脂肪もないクラスターの上半身だった。
「すごい」
「・・・普通だぞ?」
 実際、クラスターのまわりにいる前衛職の人間は、男も女も似たような肉体を持っている。
「お前は変な所に興味を持つな」
 苦笑いを浮かべながら、みつきの白い体を抱き寄せると、大きな胸がぷにっと押しつぶされた。
「あったかい」
「そうか」
 動物のように体を摺り寄せるみつきの脚の間を、クラスターは手綱を引き絞った状態のイチモツでゆるゆるとこすった。二人分の淫液が、ちゅくちゅくと音を立てる。
「にゃっ・・・」
「くくっ。早く入れさせろ」
「う・・・入るのかな」
「どうせ膜はもうないだろう。入ってしまえば、後はよくなるだけだ」
 日ごろから激しい運動をしたり、自慰に慣れていたりすると、本人も気が付かないうちに、処女膜は自然に破れる。初めての男が力ずくで破るより、その方が女にとっては痛みがなく、男としては余計な気を使わなくていい。精神的な感傷は別としてだが。
 みつきを抱き寄せたままソファに横たえると、クラスターは肉付きのいい太ももを抱え上げた。